こんにちは! Jマッチ編集部新人の佐々木です! 突然ですが、皆さんは「生産性要件」という言葉をご存知ですか?
助成金情報を登録していると、ちらほら見かけるこの言葉。しかも「生産性要件を満たせば、別途〇〇万円が支給されます」という嬉しい文脈で紹介されています。
でも、生産性要件って一体何のことなんでしょう?
これを満たさなければ、”ボーナス”がもらえないとなると、私たちは生産性要件の正体を知っておく必要があります。というわけで今回は助成金申請をする方ならぜひとも押さえておきたい「生産性要件」について説明していきます!
生産性要件とは
早速ですが、「生産性要件」がどんなものなのかご説明していきましょう。
生産性要件とは
・直近の会計年度における“生産性”が3年前と比べて一定以上伸びている場合に助成の割り増しを行うもの
・伸び率は、3年前と比べて6%以上、または1%以上
生産性要件とは、「助成金の支給申請を行う際に、直近の会計年度における“生産性”が3年前と比べて一定以上伸びている場合に助成の割り増しを行うもの」です。主に労働環境の向上を目的とした助成金が多いのが特徴です。
伸び率は、「3年前と比べて6%以上、または1%以上成長していること」を条件にしている助成金が多いよう。割増しして支給される金額も制度ごとに異なりますが、私の実感値では15万円ほどの加算がなされる助成金が多いように思います。
具体的な計算方法は?
生産性要件がどのようなものかわかったところで、具体的な計算方法についてご説明していきます。生産性要件の計算式は、以下のようになります。
引用元( www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/dl/kyoutsuu_youken.pdf )
「営業利益」、「人件費」、「減価償却費」、「動産・不動産賃貸料」、「租税公課」をすべて足して「雇用保険の被雇用者数」で割って出たパーセンテージが生産性の伸び率の割合です。
厚生労働省が配布している「生産性要件算定シート」を埋めて計算していくと、よりわかりやすいかもしれません。
▼生産性要件算定シート▼
www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000159252.pdf
生産性要件の設定を設定している助成金
では、生産性要件の設定をしている助成金には一体どんなものがあるのでしょうか? 詳細は以下の通りです。
雇入れ関係
・地域雇用開発助成金
過疎地域で3人の採用を行うと、最大で120万円がもらえる助成金です。
雇用環境の整備関係
雇用管理制度(研修制度や健康診断等の制度)を実施した場合に、1制度あたり10万円がもらえる制度です。(雇用管理制度助成コース )
・人事評価改善等助成金
人事評価制度等を整備し、目標値に達した場合に最大で80万円支給される制度です。
・建設労働者確保育成助成金
建設労働者の方の認定訓練にかかる費用の6分の1が支給される制度です。(認定訓練コース経費助成)
・65歳超雇用推進助成金
定年の引き上げ・廃止で、最大145万円が支給される制度です。
仕事と家庭の両立関係
男性社員に育休制度を認知させ、実際に育休制度を取得させた場合などに、最大で72万円が支給される制度です。(出生時両立コース)
キャリアアップ・人材育成関係
・キャリアアップ助成金
派遣社員の正規雇用に変更で、1人当たり最大72万円が支給される制度です。(正社員コース)
・人材開発支援助成金
従業員への特定の訓練導入でかかった賃金や経費に、最大1000万円まで支給される制度です。(特定訓練コース)
かなりザックリ言うと、「労働環境の向上を目指すことを目的としている、国が管轄している助成金に対して、生産性要件が関係してくる」といったところでしょうか。
まとめ「生産性を上げて、助成金をたくさんもらいましょう」
というわけで、一定の条件を満たすと”ボーナス”がもらえる「生産性要件」の正体をまとめると……
・直近の会計年度における“生産性”が3年前と比べて一定以上伸びている場合に助成の割り増しを行うもの
・伸び率は、3年前と比べて6%以上、または1%以上
・計算式は、「営業利益」、「人件費」、「減価償却費」、「動産・不動産賃貸料」、「租税公課」をすべて足して「雇用保険の被雇用者数」で割って出たパーセンテージ
・労働環境の向上を目指すことを目的としている、国が管轄している助成金に対して、生産性要件が関係してくる
ということです。
せっかく助成金を申請するならば、生産性が上がったほうがいいですし、それに対してのボーナスがもらえるならば尚更嬉しいですよね。というわけで、助成金への申請を検討中の企業さまは、受給決定後に生産性要件を満たせるような中長期計画を立ててみると良いかもしれませんね。