※本コラムはBIGLOBE連載の補助金コラムからの抜粋になります。Jマッチからコンテンツ提供をしています。
※転載元:補助金申請の秘訣(BIGLOBE)
助成金取り消し理由の一つ「最低賃金割れ」
先日、こんな相談をいただきました。
「最低賃金を割っていると指摘されて、申請が取り消しになった」
この相談、多くはないですが定期的にあります。
都道府県ごとに最低賃金が設定されており、定期的にそれらは更新されています。居酒屋のようにバイトをたくさん雇用する業態の場合、ついつい最低賃金を割ってしまっていることも。
最悪、助成金の受理が取り消される事態にも。社労士も見落としがちな意外な盲点です。
最低賃金は、どこで確認できるのか
そもそも最低賃金とは誰がいつ決めるのでしょうか。
厚生労働省のページのこんな一覧が公開されています。こちらは定期的に修正されています。
・地域別最低賃金の全国一覧
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
見てみると興味深いですね。
一番高額なのが、東京の時給907円。前回の888円から19円のランクアップ。2位は神奈川の905円。大阪は858円と3位です。
ちなみに、東京は三年前は837円でしたので、相当上昇しています。
安めのところは概ね時給652~656円の幅に収まっており、上から、青森、岩手、秋田、山形、鳥取、島根、徳島、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄がごっそりまとまっています。
最低賃金のもっとも最低金額は「高知」の「652円」です。何故か高知だけが652円です。ここは653円にして同率最下位(653は8県もある)で良いのではないかと思うのですが、、、不思議です。
ちなみに、鳥取が693円で島根が696円。こちらの勝負は島根の勝ち(?)です。
県毎の地域経済にもとづき算出されていますので、市場規模などのマクロ感を知るのにも使われるデータでもあります。
この賃金、毎年数円ずつ上昇しています。
最低賃金1000円時代へ
先日、こんなニュースが流れていました。
・安倍首相、「最低賃金の全国加重平均が1,000円となることを目指す」と表明
http://news.mynavi.jp/news/2015/11/25/440/
おそらくこのペースで上昇していくと、2020年丁度には東京、神奈川、大阪で時給1000円を超えてくると思われます。そんな時、バイトの時給をそのままにしておくと、気がついたら助成金取り消し!?なんてこともまま起こりえます。
毎年、最低賃金をきちんとチェックし、時給を上げていきましょう。
「人件費アップにつながるのは、ちょっと心配だ・・・」
安心して下さい!履いてます!、もとい、あるんです、助成金が。
時給を上げるときには「キャリアアップ助成金」の申請を!
以前も紹介したキャリアアップ助成金ですが、こちらは来年度も予算増額の上延長という話が出ています。
この助成金にこんな一文が。
○すべてまたは一部の有期契約労働者等の基本給の賃金テーブル等を
2%★以上増額改定し、昇給させた場合に助成
1.すべての有期契約労働者等の賃金テーブル等を増額改定した場合
:1人当たり3万円★(2万円★)
2.一部の賃金テーブル等を増額改定した場合
:1人当たり1.5万円★(1万円★)
※ 職務評価の手法の活用により処遇改善を実施した場合
1事業所当たり20万円★(15万円★)を加算
<1年度1事業所100人まで>
そうです、時給を13-20円上げる事で、バイト一人あたり3万円の助成金を受け取ることができます。
このお金を原資にすれば2000時間分くらいの時給差額の補填に活用できます(30000÷15=2000)。
国は、正社員を増やしたいのです
11月には久しぶりに第二新卒関連の助成金が発表されています。
・第二新卒の採用に助成金 厚労省、若者の再挑戦後押し
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS10H5S_Q5A111C1EE8000/
就活を経てせっかく入社した会社を3年以内に辞めてしまう、そんな第二新卒を採用すると50万円くらい助成してくれる、というものです。
短期で会社をやめてしまうと、その後正社員に戻ることができないという問題を解決するための助成金です。この助成金も流行りそうですね。
助成金から、アベノミクスを読む!
ここまで皆さんにお伝えしたいことは2点です。
1.助成金申請時には、念の為に最低賃金はたまにチェックしよう
2.助成金を見ると、アベノミクスの方向もわかる
安倍総理は、これから「賃金を2%ずつ上げ」「若手の正社員化を促し」「所得の安定化を実現し」最終的に「年間2%のインフレを実現し」2020年にGDPを「500兆円から600兆円に」増やそうとしています。
この流れで考えると「女性を活用し」労働力不足を解消するという文脈も存在します。こちらはまた後日。
ということで本日のコラムはここまでにしたいと思います。
年末は助成金が切り替わる一つのタイミング。
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